「ディベート」ってなんだろう?そもそも大会があるの?
ちょっと興味があってWebページを見ると大会の存在があるのはわかったけど、そもそもどのように取り組めばよいかわからない…。
そんな方は多いのではないでしょうか?
そのような方に向けて「ディベート」について、また大会に出るにあたって抑えておくべき点について4回の連載形式で当連盟理事の松田が解説をしていきたいと思います。
第一回はそもそも「ディベート」ってなに?
という点について解説をしていきたいと思います。
ちょっと興味があってこの記事にたどり着いた方が少しでも大会に出てみようかな?という気持ちになっていただければ執筆者としては幸いです!
1:ディベートって?
まず初めに「ディベート」とはなにかを解説します。
「ディベート」と聞くと何を思い浮かべるでしょうか?
アメリカ大統領選の討論会や著名人があるテーマについて話し合う様子や、ゼミで学生が話し合う姿など…人によって様々だと思います。
ディベートという言葉には広義での意味と狭義での意味があります。
広義での「ディベート」は「異なる意見を持った人物が特定のテーマについて議論をすること」です。そういった意味合いで言えば、上の例は全て「ディベート」になります。
一方で狭義での「ディベート」は「公の場において異なる意見を持った人物が特定のテーマについて議論をし、時にはその議論について投票をすること」とあります。※1
後半にある「投票」とは議論の内容について判断し、評価をすることです。
つまり、議論をする際に、議論をする両者で完結するのではなく、それを聞いている第三者がおり、その人物に評価されることを前提として議論をするということです。
この「人を説得するために議論をする」という狭義での意味の「ディベート」が我々の意味しているディベートになります。
まとめ
・ディベートは広義の意味と狭義の意味がある
・狭義の意味は「人を説得するために議論をする」こと
2:様々な種類のディベート
もう少しだけ細かくみていきます。
上記のディベートの中にもいくつか種類があります。
まず大きく、「実社会ディベート」と「教育ディベート」です。
「実社会ディベート」とは、意味の通り実社会で行われているディベートになります。議論をする両者で完結するのではなく、他者に見られている点を意識してディベートをするという意味で言えばアメリカ大統領選ディベートは「実社会ディベート」に入ります。
一方、「教育ディベート」とは「実社会ディベート」の練習として、つまり現実世界での議論をすることの練習のためとして行われるディベートです。
別名「競技ディベート」と呼ばれることもあり、分かりやすく言えば「ゲーム」として行うディベートになります。
特に競技ディベートは「公の論題について肯定側と否定側に無作為に分かれて第三者を説得する競技」と定義されることが多いです。
「肯定側と否定側に無作為に分かれ」とあるように、大会などではどちらの側でも議論をします。そのため、自分の主義主張と離れた立場で議論を行うため多角的な視点で物事を考えるトレーニングになります。
よく自分の主義に沿った立場で議論をするとイメージされる方も多いですが、競技ディベートはあくまで議論をする訓練の場のため、主義主張とは関係がない立場で議論を行います。
そして、その競技ディベートの中にも大きく2つ種類があります。
「調査型ディベート(アカデミックディベート)」と「即興型ディベート(パーラメンタリーディベート)」です。
「調査型ディベート(アカデミックディベート)」は証拠資料を用いて議論をするのが特徴です。そのため、論題が試合(大会)の数ヶ月前に発表され、試合にむけて調査などの準備をしてから行います。
「即興型ディベート(パーラメンタリーディベート)」は自身の知識を用いて議論をするのが特徴です。論題は試合の数十分前に発表され、その間に自身の知識をもとに議論を組み立てます。
このように同じ「競技ディベート」でも議論の仕方が変わります。そして、議論をする言語の違いもあります。(日本語で議論をするか、英語で議論をするか)
みてみると様々なディベートの種類があるのが分かります。そして、全国各地で様々な形でディベート大会が行われています。
なお、CoDAで主催をしている大会は主に「日本語のアカデミックディベート」です。
まとめ
・ディベートには実社会で行うものとその練習として競技として行われるディベートがある
・競技ディベートにも「調査型」と「即興型」の二つがある
3:結びと次回の予告
「ディベート」という言葉の意味、また想像以上に様々な意味合いがあることがお分かりいただけたと思います。
広義のディベートの意味は非常に広いですが、狭義としての意味のディベートは「第三者がいることを前提とし、その人を説得する」とある程度意味合いが定まっており、その点が重要になります。また、その点を理解することで、イメージがしやすくなるかと思います。
よくある誤解として、相手を言い負かしたり、言いくるめたりするイメージがあるかと思いますが、大切なのはその議論を聞いている第三者がどのように評価をするかという点です。
さて、大会で行う「ディベート」ですが、競技として行う以上、「ルール」が存在しています。次回以降はそのルールについて解説をしていきたいと思います。
※1 オンライン版ロングマン現代英英辞典
https://www.ldoceonline.com/jp/dictionary/debate